日本全国の「美味しい」が集結するお店!「食のショールーム・パルズ」とは?

 

全国には、まだまだ私たちが知らない魅力的な農産物・加工品がたくさんあります。
それは「知る機会がないこと」や「その地域でしか生産・流通されていないから」等の理由があるからです。

そんな農産物や加工品は、プロの飲食業の方からすれば喉から手が出るほど欲しい素材。
しかし、飲食業を営む人たちは時間が限られており、仕入れに行くまでが難しい。
そして、生産者は生産に追われ、遠方への販路を見出せていないという現状があります。

このような2者を繋げ、本当に美味しい「日本の味」を広める活動をしている女性がいらっしゃいます。
食のショールーム・パルズ代表の山崎友香さんです!

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今回は、食のショールーム「パルズ」の活動と山崎さんの食に対する想いをインタビュー。
管理栄養士としての経験も活かしながら、飲食業界の発展に向けて活動している彼女に注目ですよ!

食のショールーム・パルズとは?

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生産者と飲食業界を繋ぐ「パルズ」について、教えて頂きました!

山崎さん:

食のショールーム・パルズは、町村の生産者、中小企業、個人事業などの中小規模の生産者を対象とし、首都圏を中心にマッチングのお手伝いをしています。
未来永久に残したい「日本の味」をテーマに、本当に美味しいモノ、価値のあるモノをこれからの日本で絶やさないために、
従来のルートにとらわれず、無駄を省き、生産者に合わせた商品開発、販路開拓の実践を目的としています。

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今までに、ありそうでなかった、生産者と消費者にとって欲しかった「新しい場」となれるように、
また、日本が誇る食文化の魅力を、伝え広め、発展させていく活動を行っています。

具体的には、町村の生産者、中小企業、個人事業などの中小規模の生産者を対象とし、首都圏を中心にマッチングのお手伝いをしています。
パルズが六本木に店舗兼イベントスペースを置いているのも、首都圏を中心に発信していこうと決めたのが1つの理由です。

パルズは「PaRs」と書き、その意味は色々あります。
パルズのPは「Pure」、R「Rare」で、「ピュアでレアな食材」を広めたいという思いをはじめ、
「プロデューサー&レストラン」、「PR(public relations)」等、たくさんの食に対する思いと活動の意味を込めて、名づけました。

何故、独立してパルズを始めようと思ったのか?

山崎さん:

もともとは、管理栄養士として社員食堂の運営を行っていました。
料理は子どもの頃から好きで、当時通っていた美容室にお菓子を時々持参するほどでした。
そんな折、美容室の社長が今でこそ有名な「タニタ食堂」のような、健康的な食事を社員に提供しようと考えていたことを伺いました。
ケーキやお惣菜を美容室に差し入れしていたことがきっかけで、社長から「美容室の社員食堂をやってみませんか?」とお話を頂き、
社員食堂を任されることになったんです。

毎日30~40食のランチやお弁当などを栄養バランスを考えて作り、
発注、切り盛り、管理などを1人で運営していました。
値段の制約があるため、あまり原価をかけられませんが、
それでもおいしい食事をしていただきたいという想いをこめて、食事を提供していました。

また、当時は社員食堂と並行して福島で畑を管理していました。
きっかけとなったのは「福島でオーベルジュ(Auberge)」をやりたい。」というお誘いからでした。

オーベルジュ(Auberge)とは、主に郊外や地方にある宿泊設備を備えたレストランのことです。
発祥はフランスで、「その土地でその土地の食材を使った料理を楽しむために、
お目当てのレストランへわざわざ出かける。食べた後はレストランに併設している客室に泊まる」という
美食大国らしい発想で生み出された、グルメ旅行を代表する施設です。
日本でも、フレンチの一般化と共に、全国の観光地やリゾート地、別荘地などにもオーベルジュがオープンするようになってきました。

実際は、東京で働いていたので福島に移住することができずオーベルジュは断念。
その代わり、福島で畑を運営しその野菜を東京のレストランで「自家農園野菜」として使った「遠距離オーベルジュ」のような運営をしていました。

オーベルジュで使っていた野菜を、社員食堂にも取り入れることで、適正価格で質のいいランチを提供していました。
その後、転職してイタリアンレストランで働きましたが、その時も畑との繋がりは切らさないようにしていました。

ところが、急に契約を打ち切らなけばいけない事態が起こりました。
理由は、3.11の東日本大震災でした。
当時は様々な風評被害が飛び交っていましたので、レストラン側も「少しでも噂になった生産地の農産物は使いにくい。」と、
レストラン存続のためには、契約打ち切りという苦渋の決断をせざるを得ませんでした。

もしもオーナーも現地の状況や生産者の方々を知っていたら、契約を打ち切らずに済んだかもしれません。
「もっと生産者との距離が近ければ、密な関係を作ることができていれば…。」と、とても悔しい思いをしました。

この社員食堂とレストランと畑の運営の経験から「生産者とレストランや消費者をつなげる仕事がしたい!」と思い、パルズを立ち上げました。
お見合いでカップルを何組も成功させている、カリスマ仲介役(笑)のような存在になりたいなと。
実際、レストランやカフェ等の飲食業を営む方は、良い素材を探し求めています。
そして、生産者の方々も良い売り先を探していますので、需要は絶対にあると確信していました。

パルズのWIN-WINな仕組み

山崎さん:
活動の1つとして、生産地にバイヤーの方を連れていくツアーを定期的に主催しています。
興味がある方は現地にいってほしいのですが、バイヤーさんは時間が無く、特に飲食店はお休みしにくいのが現状。
ですので、生産者の情報を集めること自体が困難なことがあります。

パルズのコンセプトに「無駄を省く」というものがあります。
私が事前に生産者情報を収集し、バイヤーさんの要望をヒアリングし、両者のマッチ度が高そうな場合に、繋げる。
これで時間の無駄を削減することができます。
生産者とバイヤーが時間や人手が足りなくてできないことを、私が代わりに行っているイメージでしょうか。

厳密に言えば、食材を探してたどり着くまでの過程は、すべてが無駄というわけではないのですが、
何もアテがないまま現地に行くのはリスクが高いんです。

他にも、展示会を六本木オフィスで行っており、1回の展示会で様々な業種のバイヤーさんやメディア関係の方が併せて40名程度いらっしゃいます。
その後にお問い合わせを頂いて、生産者の方にお繋げしています。

パルズがオープンして4年目。今と昔で変わったこと。

山崎さん:

もともとは、生産者と飲食業界のマッチングを行いたくて始めたパルズ。
今年で4年目ともなれば、生産者とバイヤーの方の情報データが蓄積されていきます。
そして、そのデータベースをもとにバイヤーの声をまとめたセミナーができるようになったんです。

生産者もバイヤーも、自分の商品やサービルに愛情とこだわりをもっています。
当事者ではない私ができるのは、彼等の想いを届けることだけ。
それでも、今までに生産者の方だけを招いたセミナーを六本木だけでなく、国内各地で開催することができました。

日本全国へ足を運び、たくさんの生産者さんにお会いするようになったこと。
そして、セミナーや勉強会を開催できるようになったのは、マッチングを継続してきたからこそだと実感しています。

パルズの今後の展望は?

山崎さん:

私は飲食店が好きなので、飲食店の環境をもっと良くしていきたいと感じています。
「働き手の給料が安い」
「社会的に地位が低い」等々、飲食業界は未だにブラックなイメージがありますよね。

しかし、飲食業界全体の技術や、各店舗のこだわりも高くなっています。
「健康」をコンセプトにしたお店や、「素材」にこだわるお店は、徐々に増えてきているんです。
作り手側は、ドンドン成長していますので、食べる側ももっと成長していけたら、
本当に美味しい日本の生産物が残ると思っています。
最終的には「いい食材を使った料理を提供したい」「いい食材を使った料理を食べたい」と、作り手と食べ手の食に対する意識が高まれば、飲食業界全体の地位向上にも繋がると思っています。

私1人ができることは、そんなに多くはありません。
だからこそ、今後もマッチング事業を継続し、多くの生産者やバイヤーと知り合い、時には皆に助けてもらいながら、
「飲食業界の地位向上」と「消費者の食に対する情報精度を高める」という2つの夢を、実現させたいと感じています。


「生産者の方が丹精込めて育てた農産物を、埋もれさせたくない。」
山崎さんのお話を伺っていると、そんな思いが伝わってきました。

今でこそ世間一般に広まりつつある「地方創生」という言葉と活動ですが、
この言葉が有名になる以前から、山崎さんの行っているマッチング事業は、地方に活気をもたらしています。
そして、結果として地方に回って生産者の方にバイヤーの情報を伝えるセミナーの開催が実現。
人と人との繋がりを大切にしている山崎さんの信念ある活動は、確実に生産者の将来の選択肢を増やしていることでしょう。

今後の山崎さんの更なる活躍が、楽しみです!


【取材協力】
食のショールーム・パルズ代表
山崎友香(管理栄養士)

日本各地の町村、中小企業、個人事業などの中小規模の生産者を対象とし、首都圏を中心にマッチング事業を行う。
また、生産者の情報や商品を集めた展示会を定期的に開催している。

【食のショールーム・パルズ/アクセス】
住所:〒106-0032 東京都港区六本木 6-8-17 クリエートJビル3F
電話:03-6432-9570
メール:info@s-pars.com

パルズの展示会で紹介されている素敵な商品の数々は、オンラインショップでも購入できます!
食のショールーム・パルズ「オンラインショップ」

鈴木さん

管理栄養士の鈴木です。 食生活、健康法、ダイエットなど、健やかな心身をつくるための お役立ち情報をお届けします。”You are what you eat !”