プロのデザイナーに聞いた「デザイナーのキャリアアップに必要なこと」

 

――デザインが好き、デザイナーとして成功したい・食べていきたい。でもどうやって?

 

デザイナーとしてキャリアアップするために必要なことを、プロデザイナーの白めがね先輩に教えてもらいました。先輩は、当メディアのライターの一人で、デザイナーとして私の大先輩でもあります。

 

ikedaテルイ「白めがね先輩は、どうやって今の“デザイン部の部長”という位置まで上り詰めたんですか?月に1度は必ずご家族で旅行したり、私たちを招いてホームパーティも定期的に開いたり、正直、うらやましいです!」

 

 
wakita
白めがね「その分苦労したんだよ(笑)だから簡潔には言えないなぁ。デザイン学校では問題児だったし、師匠の下で延々と紙を切り続けたり独立したりもしたし。」

 

 

ikedaテルイ「波乱万丈ですね!?詳しく聞かせてください!」

 

デザイナーとして最も必要な素質「子供のような素直な心」

ikedaテルイ「先ほど、デザイン学校で問題児だったと伺いましたが、具体的にどんなことをしていたんですか?先生に反抗しまくっていたんですか?」

 

 

wakita
白めがね「いや、そういうタイプの問題児じゃなくて(笑)。やりたいと思ったらやるっていう性格だから、悪気なくルールを破ってしまう感じ。当時は若かったから素直すぎたんだろうな(笑)。」

 

ikedaテルイ「いや、白めがね先輩は今でも子供みた、あいや、素直だと思います! でも、問題児だったら講師にも目をつけられていたはず…どうして師匠のもとに弟子入りできたんですか?」

 
 

wakita
白めがね「その当時、僕の師匠は“イキのいい”若手を探していたらしいよ。そこで、僕の話が学校の先生から師匠に伝わって、居酒屋に呼び出されたんだ。」

 

 

ikedaテルイ「ん?いきなりサシのみですか!?会社の面談室とかじゃなくて?」

 

 

 

wakita
白めがね「そう、居酒屋。坊主・着物・下駄っていう、“ザ・芸術家”みたいな人が現れて、仕事の話なんて一切せずたわいのない話ばかりしてなぁ。最後に「内定全部蹴って俺のところに来い」って言われたんだ。」

 

 

ikedaテルイ「なんか、純文学のような話ですね…現実は小説よりも奇なりを目の当たりにした気分です。お師匠さんは、白めがね先輩の“子供みたいな純粋さ”を見込んだんでしょうか?」

 

 

wakita
白めがね「自分で言うのも恥ずかしいけど、それもあったんじゃないかと思うよ。僕も自身も、テルイたちのような教え子(部下)を持つ立場になり、採用もするようになってますます思うんだ。“綺麗なものを素直に綺麗だと思える心”が一番大切だって。」

 

ikedaテルイ「…あれ?今さらっと重要なこと言いましたね!それはデザイナーとしてキャリアアップするために必要な素質ということですか?」

 

 

wakita
白めがね「そうだね。デザイナーとして最も重要だと僕は思う。」

 

 

 

ikedaテルイ「“綺麗なもの”って人によって定義が違うと思うんですけど、それは、“自分が綺麗だと思うものを胸張って綺麗だと言い切れる自信”っていうことですか?」

 

 

wakita
白めがね「うん、ある種、自信とも言えるね。
例えば映画館で、すごく感動して涙が出そうなのにぐっとこらえる人がいるよね。「映画で泣かないこと」がその人の美学なら良いんだけど、“カッコ悪いと思われるんじゃないか”とか“変な風に思われたらいやだな”っていう、人目を気にして主張を抑える、っていう場合はデザイナーには向いていないかもしれない。子供のころ経験ない?うまくできたら誰かに見せたくなるの。絵や、習字、テスト、逆上がりとか。」
 
ikedaテルイ「ありました…!お母さんに必ず見せに行きました。」

 

 

 

wakita
白めがね「僕にはそれが今でもあるんだ。「うわ、すっげーカッコイイのできちゃったよ!天才じゃない?見てこれ!」って誰かに言いたくなる。たまに本当に言っちゃうときもある(笑)。デザイナー自身がそれくらい感動や自信を持てるものじゃないと説得力がないし、お客様を満足させることはできないと思う。そんなデザインをし続けるためには、この子供みたいな心はすごく重要なんだ。」

デザインの学校を卒業したからといって良いデザイナーになれるわけではない

ikedaテルイ「なるほど…そう考えると、白めがね先輩にとって、デザインの学校ってあまり意味をなさなかったのですか…?」

 
 
 

wakita
白めがね「そうとは言い切れない。あの学校にいたから師匠と出会えたわけだからね。でも確かに、デザイナーとしての今の僕を形成しているのは、学校での勉強じゃなくて、師匠の仕事を見て盗んだことや、案件をこなしながら実践的に覚えたことがほとんどかな。それと、“学校に行っているから大丈夫”とか“この学校を卒業したから俺のデザイナーとしてのキャリアパスは完璧だな”と胡坐をかくことは絶対に止めた方がいい。」
 
ikedaテルイ「実力主義の世界ですもんね。独学でも最前線で活躍している人もたくさんいますし。」
 
 

 
wakita
白めがね「そう。だから、デザイナーとして必要な要素に付け加えるとしたら“底なしの好奇心”かな。学校で得られる知識だけに満足しているようじゃいけないと思う。教科書は学校だけじゃなく、街中にこそあるんだよ」
 
ikedaテルイ「看板、チラシ、電子掲示板、電車のつり革、お店のメニュー、本の装丁、本当にデザインにあふれていますからね。」
 
 

 
wakita
白めがね「その通り。目に見えるものすべてが教科書だよ。なんでこの看板が真っ先に目に入ったんだ?って理由を考えたり調べたりしてほしい。配色、構成、フォントの形、間隔、自分なりに考えて実践してみたり、そうやって自主的に得た知識や技術は絶対に身から離れないよ」

新しいことに次々チャレンジ!スキルアップには実践あるのみ

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ikedaテルイ「下積み時代、師匠の下で延々と紙を切り続けていたっておっしゃっていましたが…ズバリ、それ何の仕事ですか!?」

 
 
 

wakita
白めがね「印画紙に印刷された文字を一文字ずつカッターで切って詰める作業。いわゆる写植というやつだね。今じゃショートカットキー一発で終わるようなことだけど、当時はすべてがアナログだったんだ。」

 

ikedaテルイ「気の遠くなるような作業ですね…!それもこなしながら、師匠の仕事を見て学んでいたのですか?」

 
 
 

wakita
白めがね「そう。でもこの途方もない作業のおかげで、“文章が美しく見える文字の間隔”が分かるようになった。具体的に何ミリとかではなくて、これは僕の経験で培った感覚で、勉強しただけでは決してつかめないものだよ。こういうスキルは師匠の下でたくさん得られたなぁ。」
 
ikedaテルイ「経験に無駄なことは一つもないということを改めて感じますね。その他、実線によって身についたスキルはありますか?」

 
 
 
wakita
白めがね「語りつくせないほどあるよ。特に、今では当たり前になったMacやWindowsでのデジタル作業は、まさに0から手探りで体得したといっても過言ではないかな。」

 

ikedaテルイ「教えてくれる人はいなかったのでしょうか?」

 

 

 

wakita
白めがね「もちろんいないよ。コンピュータやインターネットが普及し始めた90年代初頭、師匠が“絶対にこれから必要になるから、やれ”と言って渡されたのは、Mac、英語版のillustratorとそのマニュアル、そして仕事内容の資料。イラレなんて使ったこともない僕に、この仕事を5日で仕上げろと言ってのけた。参ったよね。」
 
ikedaテルイ「当時日本語版など存在しなかった、オリジナルの英語版イラレ、しかも初心者が5日で…!?今ならデザイン学校でカリキュラムを1期組まれるのが普通なのに、鬼のようなスケジュールですね…でも白めがね先輩はやり遂げたんですよね。」

 

wakita
白めがね「もちろん。英和辞典とマニュアルを交互に見ながら3日でイラレを覚えて、残り2日で何とかデザインを仕上げたよ。」

 
 

ikedaテルイ「仕事を投げ出さないのは社会人として当然だと思います。それでもめげそうになってもおかしくない仕事だったと思いますが、やり遂げられた理由とは何なのですか?」
 

 

wakita
白めがね「やっぱり“デザインが好き”っていうゆるぎない根底があったのと、“好奇心“かな。大変でも、新しいものを知ること・創ることは楽しいんだよね。それらに加えて、師匠に対する思いとか。プロとして、仕事を投げ出してはいけないというのは大前提の話で。」

 

ikedaテルイ「先ほどの“デザイナーとして重要な素質”の一つですね。」
 
 
 
 

wakita
白めがね「あと、当時のような人材育成の方法は今じゃ通用しないのは確かだけど、同じくらいのパッションは持っていてほしいとは思うね。」

現場から離れず、一生デザインで食べていきたい

ikedaテルイ「独立も経験されたと伺いましたが、なぜ今のように会社専属のデザイナーになったのですか?」
 
 
 
 

wakita
白めがね「独立したのは、友人知人から声をかけられたことがきっかけだけど、根底にはデザインの頂点を知りたいという思いがあったからなんだ。でもいざ経営者になると、デザインするという以前に、経営や営業に集中しなければいけなかった。」

 

ikedaテルイ「それで、デザインの現場を離れるのが、つらくなったのですか?」
 
 
 
 

 
wakita
白めがね「そうだね、物足りなくなったんだよね。やっぱり僕はデザインが好きで、一生デザインで食べていきたい思いが一番強かったんだ。実際、経営や営業に集中していた時期に自分が手がけた作品は、“以前より劣っている”と感じることが多かった。僕は現場を離れたくないんだよね。」
 
 

ikedaテルイ「今、白めがね先輩は部長として部下をディレクション・育成する立場になっていますが、それに対して物足りないと思うことはないのですか?」

 
 

wakita
白めがね「ないよ。自分の腕が鈍らないように、ディレクション一辺倒にせず自分にもデザインの仕事を振るようにしているからね。でも、ディレクション一筋に集中する人もいるし、仕事の仕方はデザイナーそれぞれだよ。自分の理想とするデザイナーとしてのキャリア像を描いておくといいかもしれないね。」

理想のキャリア像に近づくためには?

ikedaテルイ「自分の理想とするキャリア像の話が出ましたが、それに近づくためには何が必要だと思いますか?」

 

 

wakita
白めがね「今日一貫して話していた“デザイナーとして必要な素質3つ(デザインが大好き、子どものように素直な心、好奇心)”に加えて、“キャリアアップを叶える環境”があれば、すぐに理想に近づけると思うよ。」

 

ikedaテルイ「“キャリアアップを叶える環境”というのは、どういう環境ですか?」

 

 

wakita
白めがね「例えば、ひとつの作業を延々と続けるような職場ならスキルアップを望むのは難しいよね。そこから抜け出さないとキャリアアップは厳しいと思うから、環境によっては転職も選択肢として重要だね。」

 

ikedaテルイ「でも、コツコツと自分で勉強したり、資格を取ったりはできるのではないでしょうか?」

 

 

wakita
白めがね「仕事しながらそれができる人はすごいと思うし、評価されるべき点ではあると思う。でも、スキルアップできるような職場だったら、仕事をこなしながら実用的なスキルを身に着けられる上に、実績が増えるんだよ?」

 

ikedaテルイ「確かに…。クライアントからの依頼を手がけた作品(=実績)と、自分ひとりで仕上げた作品とで、どちらがクライアントの信頼を得られるかは明白ですね。」

 

 

wakita
白めがね「その通り。実績は営業にも、転職にも使えるんだ。仕事しながら、それらを得る方が効率が良いよね。だから、多種多様な案件実績のある企業や、人事評価がしっかりしている企業など、自分が望むキャリアアップに適した企業を選ぶべきだと思うな。」

 

ikedaテルイ「なるほど…ためになる話をありがとうございました!私は会社選び間違っていなかったと思います。これからも精進します!」
 

wakita
白めがね「うん、さっそくなんだけどテルイ。ここ、もっと美しく見える方法があるんじゃないかなぁ?」
 

ikedaテルイ「あ、はい…。」

まとめ デザイナーとしてキャリアアップするためには転職も視野に入れよう

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今回、デザイナーとして超・経験豊富な白めがね先輩と対談した結果、デザイナーとしてキャリアアップするためには、素質と環境が必要であることが分かりました。

自分の持つ素質を育てるためにも、環境は大切です。今の職場がそれに適していないようでは転職も考えてみるべきかもしれません。

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デザイナーとして描くキャリアパスは様々。

例えば、

「紙媒体のデザインしか経験がないが、今後はWEBデザインもやっていきたい」
「実務経験はないが、これからデザイナーとして活躍したい」

このように多岐にわたるデザイナー求職者の悩みに対して、経験豊富なデザイナーが信用できるアドバイスや面談をサポートします。

デザイナーで、一生食べていきたい。そう考えている人は、ぜひ一度転職も視野に入れてみて、「J・Grip Career」にサポートを依頼してみてはいかがでしょうか。

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テルイ

デザイナーとして日々修行中。とにかく、ビールがあれば毎日楽しい!!