衝撃!法人向け保険で節税ができない!? 日本トップクラスの保険営業マンに真相を聞いてみた

2019年2月14日、生命保険各社が経営者向け定期保険などの販売休止を決定しました。
この出来事は、業界で「バレンタイン・ショック」とも言われています。

事の始まりは、2019年2月13日に国税庁から各保険会社に向けて「解約返戻率が高い生命保険に関する税務上の取扱い(通達)の見直しを始めた旨の通知」が届いたこと。

平たく説明すると、これまで節税対策としてのメリットがあった生命保険ですが、今後も同じようにメリットがあるとは断言できなくなってしまったのです。通知には「見直します」とだけ連絡が届き、その詳細は不明。
つまり、新ルールの詳細が分からない以上、顧客にとって保険加入のメリットを説明することができなくなったということに。もしかすると、最悪の場合は全く節税にならない可能性も秘めているわけですね。

「これは、マズイ」と、通達を受けた各社は、13日中に既存顧客への説明・連絡等を実施。
そして、2月14日には新規販売を完全に休止したのです。

2019年4月11日には、国税庁がルール改正案(通達)の試案を公表。
5月10日まで意見公募(パブリックコメント)を募り、正式なルールが決定されることになっています。
(※2019年5月末の取材時は、まだルールは確定していませんでした。)

今後、本当に法人向け保険で節税ができなくなってしまうのでしょうか。
そもそも、これまで法人向け保険加入で、どれくらい節税メリットがあったのでしょうか。
今回は、某保険代理店にお勤めの日本トップクラスの保険営業マンの方に、詳しくお話を伺いました。

【お話を伺った人】

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某保険代理店のトップセールス営業マン、Aさん
毎年、厳しい審査をクリアして、MDRTの会員を更新中。    
趣味は、海外旅行。       

Q1:何故、法人向け保険は節税対策になっていたのでしょう?

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Aさん:
個人事業主が加入する保険は個人を対象としたものであるため、経費として認められることはほとんどありません。
一方で法人であれば、保険商品によっては、全額または半額損金算入が可能で、利益を繰り延べることが出来ます。

利益の繰り延べ単体では、節税効果があるとは言えません。
しかし、保険解約時に大きく損金を作れるような施策を実施し、原資として解約返戻金を使う(解約で発生する利益を消し込む)ことで、大きな節税効果を生むことができます。

例えば、役員退職金との組み合わせです。
役員退職金は支払った金額のほとんどを損金計上できるため、「=役員最終報酬月額×役員在任年数×功績倍率」の範囲内であれば、支払った役員退職金を全て損金計上することができます。
全額損金や半分損金の保険で利益を繰り延べた先で、その解約返戻金を退職金の原資とすることが出来れば、大きな節税効果を生むことができるという仕組みです。

―つまり、「保険を適切なタイミングで解約して解約返戻金を受け取ると、退職金や大規模な設備投資の資金に充てることができる。=節税効果が見込める。ということでしょうか。

Aさん:
そうですね。ただ、今お伝えしたのはあくまでも一般的な節税メリットです。
弊社では保険の商品の機能をうまく活用して、個々の企業の状況に応じて適切な提案をしておりましたので、通達以前の法人向け保険商品を活用した節税対策では、かなりフレキシブルに対応できていたと自負しております。

(―さすが日本のトップセールスマン。安心・安定感が違います…!)

Q2:法人向け保険でもう節税ができなくなったって、本当ですか?

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Aさん:
厳密には「節税ができなくなった」というよりも「保険の解約金を損金(経費)とした節税対策ができなくなった」ということです。

ここで、バレンタイン・ショック後の「新ルール」について言及する前に、従来の節税スキームについて簡単におさらいしておきましょう。

例)
2000年3月期
利益:1,000万円
税金:400万円
税引後利益:600万円

仮に、この状態が20年間続いたとします。
2020年3月期には累積で600万円×20年=1.2億円の税引後利益となるため、ここで役員退任する場合は、この1.2億円が役員退職金の原資となります。

では、節税保険に加入していた場合はどうなるでしょうか。

2000年3月期に返戻率90%の全損保険(節税保険)に1,000万円入ったとします。すると2000年3月期~2019年3月期は利益がゼロ(税金もゼロ)となります。
20年間その状態を続けた後、2020年3月期に生命保険を解約し1.8億円(1,000万円×20年×90%)の返戻金(益金)を得たとすると、2020年3月期までの累積利益が保険返戻と同額の1.8億円となり、この保険返戻金1.8億円がそのまま役員退職金の原資となります。

このように、解約返戻率の高い保険を利用して節税した上で、将来の役員退職金に備えるケースは多々見受けられたと思います。
先述したような法人向けの保険商品は、解約返戻率が高く、毎月の保険料を法人で「損金(経費)」として計上できました。

しかし、新ルール案においては、「定期保険」について、保険料の損金算入割合を、解約返戻金のピーク時の返戻率に応じて決めるものとしています。
併せて、「各保険商品の実態を踏まえつつ、現行の取扱と整合性のとれた資産計上ルールとすべき」と書いてあるため、基本的な考え方を変えたわけではない」と明記されています。

従来のルールと新ルール案の大きな違いは、「保険期間の長さではなく解約返戻金の返戻率に着目し、計算方法をきめ細かくした」という点でしょう。

具体的な変更内容は、次の通りです。

【従来のルール】
基準となる数値:保険期間
保険期間ごとの損金算入割合の計算区分:2段階

【新ルール案】
基準となる数値:解約返戻金のピーク時の返戻率
保険期間ごとの損金算入割合の計算区分:3段階

Q3:ズバリ、ルール変更でどんなデメリットがありますか?

Aさん:
解約金返礼率の返礼率に着目し、計算方法をきめ細かくしたルールでは、
解約時に受け取った金額すべてを経費計上できないという点が、最大のデメリットと言えるでしょう。

「保険期間の長さではなく、解約返戻金の返礼率に着目した」という内容を紐解くと、
「解約返戻金が大きい保険については、保険料を損金として計上できる金額を減らし、資産計上する割合を増やす。」となります。

これにより、例えば「毎期の法人税を減らす」という効果は確実に薄れることになります。
企業は保険料の支払いで利益を圧縮することで、法人税を減らすことができます。(※保険料は全額経費扱い)
加入後10年程度で解約すれば、支払った保険料の多くが「解約返戻金」として戻ってきますので、
利益を上げて税金を払うよりも、保険に入って返戻金を受け取った方が手元にお金が残ります。
そして、返戻金は課税されないように「役員退職金」などの経費に充てます。

このような節税メリットは、「保険期間の長さではなく解約返戻金の返戻率に着目した」新ルール案においては、適用されなくなってしまいました。
他にも、「退職金を保険で積み立てる」「自社株評価を下げて事業承継をスムーズに行う」など、
従来のルールにおいて「損金効果を利用して実現できていたメリット」が享受できなくなったと言えるでしょう。

今回のルール改正が、業界にとっても、お客様にとっても大打撃を受けたのは間違いありませんね。
(※2019年2月13日以前に契約した法人保険は、従来のルールが適応されます。)

感度の高い経営者の方は、私に直接相談に来られましたね。
「本当に、これで終わりなのか。何か、他に妙案はないのか・・・?」と。

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新ルール案によって、法人保険による節税メリットが享受できなくなるであろうことが判明しました。
本日は貴重なお時間をありがとうございましt・・・

Aさん:
あ、でも、ちょっとお待ちください!
実は、今回の通達に影響しない「福利厚生として適用できる保険」があるんですよ。

え!?それは一体・・・

Aさん:
それは記事には書けないので、詳しくはこちらで・・・

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【取材協力】
某保険代理店営業、Aさん
CFP(日本FP協会認定)
MDRT終身会員   COT会員
現在までMDRT16回  COT5回  TOT2回

※MDRT(Million Dollar Round Table)・・・世界中の生命保険・金融サービス専門職の毎年トップクラスのメンバーで構成される「卓越した生命保険・金融プロフェッショナル集団」。生命保険と金融サービス業界の最高水準として世界中で認知されている。
世界中の生命保険の営業マンのトップ5%と言われている。

※COT(Court of the Table)・・・MDRTの3倍の成績基準
※TOT(Top of the Table)・・・MDRTの6倍の成績基準

某会社の経営に携わっています。 仕事術やマネーに関するコアな情報を、お伝えしていきます。