ハイランドパーク(Highland Park) – 最北の蒸留所、オークニー諸島にそびえる北の巨人

 

3大美人、3大武将、3大料理・・・。
世の中には実に様々な3大なんとかがある。

一時期、私にとっての3大巨人というものがあった。
それは、「進撃の巨人」「小さな巨人」「北の巨人」であった。

漫画、ドラマ、ウイスキーの世界での巨人たちだ。

3つの巨人に共通して言えることは、「主人公が間違ったことを正すべく正義を貫き続ける」ということであろうか。
人はこんな主人公の持つ「カリスマ性」に惹かれる。魅力を感じる。
それだけ正義を貫くことが難しい世の中なのかもしれない。

「北の巨人」と称されるハイランドパーク蒸留所は北緯59℃の極寒の地に所在する。
その地は、オークニー諸島のメインランド島、その昔バイキングによって支配されていた土地である。
遺跡も多く、神秘的な島だ。

ハイランドパークが巨人と言われる理由はコクのある味わいだからだけではないと思う。
この地は、伝説の密造者、マグナス・ユウンソンが正義を貫いたエピソードが残されている。

教会の牧師、というもう一つの顔を持つマグナスは、1798年当時ウイスキーを密造していた。
そして密造を取り締まる役人が視察に来た時は、自分の密造酒を教会へ運び込んだ。

そこに白い布をかぶせ、天然痘患者の葬儀を装ったのだ。
それを見た役人は、感染を恐れて取締りをせずに慌てて帰ったという。

密造は悪いことである。
が、何故かロマンを感じるのは私だけではないはずだ。
当時、マグナスは酒飲みたちの正義を貫いたのではないだろうか。

ハイランドパークが「北の巨人」と称される理由・・・
そのどっしりとした酒質以外にも、「酒飲みの正義」が歴史に反映されているからではないだろうか。
そして、数年前にハイランドパークでシリーズ化された「ヴァルハラコレクション」の4アイテムがある。

ソー、ロキ、フレイア、オーディンの4アイテムだ。

ソー

ロキ

フレイア

オーディン

これらは北欧神話に登場する神々がモチーフとなっている。

このネーミングと4者4様の酒質も含めて、カリスマ性を感じずにはいられない。
香味も度数も様々で大変ユニークな巨人たちである。
北欧神話を調査しながら飲むのも楽しい。

勿論、これ以外にもハイランドパークはたくさんの種類がある。
さて、今夜はどの巨人と夜を明かそうか。

Tomomi

バーテンダー。錦糸町の老舗バー「オールドスコット」に勤務して18年。 2007年の第1回ウイスキープロフェッショナル試験に合格。今一番好きなウイスキーは「アードベッグTEN」。