山寺探訪 室生寺(奈良県) – 写真家土門拳の愛した 「女人高野」

 

今回紹介する山寺は、奈良県宇陀市の室生寺。
土門拳の「古寺巡礼」や五木寛之「百寺巡礼」をはじめ、JR東海のポスターに使用されたこともある著名な寺院です。

近鉄室生口大野駅

室生寺の玄関口 近鉄室生口大野駅

室生寺は三重県との県境に位置する、真言宗室生寺派大本山の寺院です。
初期の密教美術の宝庫として知られ、平安時代前期の建築や仏像を伝えるほか、境内はシャクナゲの名所としても知られています。
本尊である釈迦如来立像をはじめ、本堂(灌頂堂)、金堂、五重塔など多くの国宝を有しています。

過去、女性が寺社に立ち入ることが許されなかった時代にも、女性を慈悲深く受け入れてきた寺であり、徹底した女人禁制を行う高野山に対して、「女人高野」と呼ばれ親しまれています。

室生寺が女性に門戸を開放した時期は鎌倉時代。
17世紀に五代将軍綱吉の母・桂昌院の寄進をうけて堂塔の復興がなされてから「女人高野」の名は一層広まり、現在でも室生寺を訪れる参拝者の8割が女性といいます。

4月~5月のシャクナゲ、初夏の新緑、秋の紅葉、冬の雪景色と四季折々の変化を楽しませてくれます。
しかし、なんといっても室生寺といえば冬の印象が強いでしょう。
昭和を代表する写真家土門拳が幾度となく通い詰め、初訪問から約40年、晩年になって初めて撮影できた雪の金堂、五重塔の美しさは多くの人々を魅了し、これによって室生寺は一躍有名になったのです。今日でも、冬の室生寺を訪れる人は絶えません。
土門拳の常宿 橋本屋

土門拳が常宿にしていた室生寺の旅館 橋本屋

私も例に漏れず、冬期、大晦日前に室生寺を訪れたのですが、近年は降雪が少なくなっているようで、好天に恵まれてしまい望んだ写真は撮れなかったのでした。
室生寺 五重塔

室生寺 五重塔。土門拳の撮影した構図
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旅行担当 O

ひとり旅をこよなく愛する鉄分高めのアラフォー男子。 年に三度の旅行だけが心の支えです。